「坪単価の罠」にご用心。「いくらですか?」に、私たちならこう答えます

家づくりでいちばん不安なのは、やはりお金のことではないでしょうか。

「いくらかかるのかな?」

「自分たちの予算で、本当に建てられるんだろうか?」

その手がかりがほしくて、住宅会社を選ぶときに「坪単価はいくらですか?」と聞く方は多いと思います。

私たちアムキットホームも、このご質問をよくいただきます。もちろん、お答えします。ただ、数字をひとつお伝えして終わりにはしていません。

坪単価は便利な目安に見えて、その数字だけで判断すると「思っていたより高くなった」というズレが起きやすいからです。

今回は、坪単価の仕組みと、「いくらですか?」に私たちがどうお答えしているかをお話しします。

「坪単価は予算内だったのに…」お客様から伺うお話

坪単価をご質問くださる方は、あわせてこう聞かれることがよくあります。

「坪単価には、何が入っていますか?」

お話を伺っていくと、その背景にはこんな不安があることが多いのです。

他社で後から「別途」の費用が出てきた

「坪単価を聞いて予算内だと思っていたのに、詳しく聞いたらカーテンはオプション。屋外の給排水工事や下水道の費用も、別にかかると言われました」

先に家を建てたご友人がローンを借り足すことになった

「友人は、坪単価で考えると十分に予算内だったそうです。それなのに最終的に住宅ローンの融資が足りなくなって、追加で借りることになったと聞きました」

どちらも、入口で聞いた坪単価と、最後に支払う金額がズレてしまったお話です。これが「坪単価の罠」です。

「坪単価の罠」は3つあります

では、なぜそんなことが起きるのでしょうか。

坪単価は、「建物の価格 ÷ 面積(坪数)」。計算はシンプルですが、実は統一されたルールがありません。

罠その1:「坪単価に何が含まれるか」は会社によって違う

家を建てるための工事は、大きく2つに分けられます。建物そのものをつくる「建物本体の工事」と、屋外の給排水工事や外構、照明、カーテンなどの「付帯工事」です。

A社:坪単価に入っているのは、建物本体の工事だけ。付帯工事は別途

B社:付帯工事まで、坪単価に入っている

坪単価はA社のほうが安く見えます。しかし、住める状態にするまでの金額で比べると、差が縮まったり、逆転したりすることもあります。

罠その2:「どの面積で割るか」が会社によって違う

下の図は、同じ家を真上から見たものです。色のついた部分が、坪単価の計算に使う面積です。

A社:玄関ポーチやバルコニーも含めた広い面積で割る

B社:室内の床面積だけで割る

同じ家、同じ金額でも、広い面積で割るA社のほうが坪単価は安く見えます。前提が違う数字を並べても、比べることはできないのです。

罠その3:「どんな仕上げ・設備か」で金額が変わる

また坪単価は、床や壁にどんな素材を使うか(仕上げ)、キッチンやお風呂をどのグレードにするか(設備)によっても大きく変わります。

たとえば、床やキッチン、お風呂の違いで、合計300万円の差が出たとします。

仮に30坪の家なら、坪単価は10万円変わる計算です。

広告や資料で目にする坪単価は、仕上げ・設備をおさえた家で計算した数字のこともあります。

坪単価を聞いたときは、「どんな仕上げ・設備で計算した金額ですか?」とあわせて聞いてみてください。

「坪単価はいくらですか?」に、私たちはこうお答えします

会社によって前提が違うのなら、坪単価を聞いても意味がないのでしょうか。

そんなことはありません。私たちも、聞かれればお答えしています。ただし、ひとつの数字ではなく、実際に建てた家を見ていただきながらお話しします。たとえば、こんなふうに。

「同じ35坪でも、A邸は3,000万円(坪単価約85万円)で、B邸は3,500万円(坪単価100万円)でした」

同じ会社が建てた、同じ広さの家。それでも500万円の差があります。違いが生まれた理由は、間取りや仕様です。

A邸(坪単価85万円):間取りをシンプルにまとめたうえで、こだわりたい部分を厳選してお金をかけた

B邸(坪単価100万円):スキップフロア(床の高さを半階ずつずらした間取り)や吹抜けのある複雑なつくりの家

吹抜けには床がないので、面積には数えられません。けれど、壁や窓、仕上げの工事はもちろん必要です。面積に表れない工事があるぶん、坪単価は上がります。

このように、坪単価は「あなたが何を選ぶか」で大きく変わります。

「うちの坪単価はだいたい◯万円です」と一言でお伝えすることもできそうですが、その数字であなたの家が建つとは限りません。それなら、実際に建てた家と金額を見ていただくほうが正直だと、私たちは考えています。

私たちが最初に伺うのは、坪単価ではなく「総額」です

坪単価でわかるのは、建物の値段の目安だけ。でも、家づくりにかかるお金は建物だけではありません。

だから私たちは、最初に「総額」を伺います。総額がわかっていれば、そこから逆算して家を考えられるので、「あとからお金が足りなくなった」ということが起きにくくなります。

進め方は、次の3ステップです。

ステップ1:土地・建物・諸経費を含めた総予算を伺います

伺うのは、建物だけの予算ではありません。土地、建物、そして登記や住宅ローンの手続きなどにかかる諸経費まで含めた金額です。

先に全体の予算を共有していただき、その中でできる家を一緒に考えていきます。

ステップ2:まずは、理想をすべて入れた間取りをご提案します

次に、ご家族のことを深く知るための「1000の質問」などをもとに、理想の間取りを描きます。この段階では、予算のことはいったん脇に置きます。

正直にお伝えすると、ほぼ100%の確率で予算をオーバーします。

でも、それでいいのです。「理想を全部叶えると、いくらオーバーするのか」が、ここで初めてリアルな数字でわかるからです。

詳しくはコチラの記事:はじめの一歩で差がつく!注文住宅の間取りを成功させる『1000の質問』メソッド

ステップ3:「絶対に譲れないもの」を残して、予算内に納めます

ここからが調整です。この頃にはショールームにも足を運んでいただいているので、「これは絶対に譲れない」「これは叶えたい」という気持ちが、はっきりしているはずです。

その優先順位を話し合いながら、面積を調整したり、仕様を変えたりして、最初に伺った総額の中に納めていきます。私たちが「プライスコントロール」と呼んでいる時間です。

総額から始めているので、最後に「知らない費用が出てきた」ということは起きにくいと考えています。

詳しくはコチラの記事:「プライスコントロール」で叶える、納得して進める家づくり ― 見積もり後に後悔しないためのコツ ―

住宅会社を比べるなら「坪単価」より「総額」で何ができるか

坪単価は、あくまで目安のひとつです。住宅会社を比べるときは、ぜひこう聞いてみてください。

「この金額には、何が含まれていますか?」

「含まれていないものは何ですか?」

「土地や諸経費まで入れると、総額はいくらになりそうですか?」

そして私たちアムキットホームには、「この予算で、どんな家ができますか?」と聞いてみてください。事例をお見せしながら、あなたの総額から一緒に考えます。どうぞ気軽にご相談ください。